製作者紹介
尺八製作・演奏家「大萩 康喜」
経歴
立命館大学在学中に尺八を始める。
古典本曲、琴古流尺八を石川利光に師事。
尺八製作を3代目西田露秋に師事。
都山流尺八を西田仙秋山に師事。
都山流尺八楽会師範主席合格(雅号:慈庵山)
第24回くまもと全国邦楽コンクール最優秀賞、文部科学大臣賞受賞。
NHK Eテレ「にっぽんの芸能」出演。
NHKカルチャー教室、愛媛新聞カルチャー教室講師。
松山市にある尺八工房 慈庵にて尺八を製作。
受賞歴
第49回~第52回 都山流尺八楽会本曲コンクール愛媛県大会優勝
第42回~第44回 都山流尺八楽会本曲コンクール四国大会優勝
第23回 長谷検校記念 くまもと全国邦楽コンクール 奨励賞
第24回 長谷検校記念 くまもと全国邦楽コンクール 最優秀賞・文部科学大臣賞
愛顔(えがお)の愛媛文化・スポーツ賞
代表あいさつ
尺八工房 慈庵のウェブサイトへようこそお越しくださいました。
私は当工房の代表兼製作者の大萩 康喜と申します。
日頃より多くの方々に支えられながら、大好きな尺八を仕事にさせて頂けていること、大変有り難く感じております。
そういうこともあり「尺八で世の中の役に立たねば!」というプレッシャーにお尻を叩かれている一方、「前より作るの上手になってるかも…!」という実感の喜びもあり、日々前を向いて仕事をしております。
立命館大学に入学し邦楽部で尺八と出会い、間もなく先輩からつけられたあだ名が「じあん」でした。
この名前のお陰で親しんで頂け、どっぷり尺八漬けの大学生活を送りました。
得難き仲間や経験の数々を尺八が与えてくれたことも、「じあん」のおかげもあるようにも思います。
そんな、私の尺八人生に欠かせないこのあだ名に、尺八のことで誰かの助けになれればと思い、慈しむという字を当てて「慈庵」という工房名にしました。
尺八は奥が深く、まったく飽きのこない面白い楽器です。
そんな尺八が好きで、尺八を吹いている方が好きです。
この仕事を通して、尺八をもっと楽しく吹く事のお手伝いが出来るとしたら、本当にうれしく思います。
そのためにも、今日もまた、より良い尺八を目指して製作に励んでまいります。
皆様の尺八の音に寄り添うことができますと幸いです。
ありがとうございました。
尺八への想い
尺八の魅力という事で考えていきますが、多様な表現が出来ることが尺八の面白さの1つです。
身の回りの音や気配を感じ取りながら演奏したとして、例えば、静かな山奥の寺で演奏する時に、風が木々を揺らす音、虫や動物の鳴き声、川のせせらぎ、木造建築の響きやお線香のにおいなど、この環境で演奏する音や音楽。
例えば、お箏と一緒に「春の海」を演奏する時に、穏やかな波の上に聞こえる歌や鳥の声、舟を漕ぐ力強さの表現、箏の音色や奏者の呼吸を聴いて発する音。
例えば、嬉しいことがあった時に演奏する時に、ウキウキするような軽やかな気持ち、その気持ちを誰かに届けたいという気持ちを持って発する音。
息の強弱や量、楽器と口の距離関係を変化させることで音色が変化し、一音の中に込められる音の種類や組み合わせが沢山あることを魅力に感じます。
邦楽に限らずポップスや演歌、ジャズ、ロックを演奏したり、意外と色んな音楽の世界に飛び込める楽器であることも良い点に思います。