尺八について
心に染みる尺八の風雅な音色
尺八製作において尺八の演奏を楽しむどのお客様でもいい音が鳴るような楽器づくりを心がけております。
製作中の素材や手作りへのこだわりはもちろん、お客様一人ひとりの演奏スタイルや求める音に合わせた音の調整に一番重きを置いて製作します。
お客様のご要望やご希望に沿って製作したこだわりの尺八を、唯一無二のオーダーメイド品として長くご愛用いただけますと幸いです。
尺八製作の流れ
1)真竹の採集
尺八のもととなる「真竹」を山に登り一本一本見極めながら根ごと掘り出します。
竹自体の性質により尺八の音色が大きく関わるため節の位置や丸み、硬さ、太さを特に注意しながら吟味をしていきます。
2)2年以上の乾燥
採集した真竹を火で炙ります。
炙ることで竹に含まれる余計な油分を抜き、歪みを調整することが可能です。
続いて熟成させるため風通しのよい日陰で最低でも2年以上乾燥させます。
3)形成と調整
十分な熟成と乾燥が完了した後、真竹の曲がりを矯正する矯め直しを行います。
中継ぎの部分で切断し、節をノミで抜き、鉋ヤスリで整えていきます。
上管と下管を繋いだときに隙間ができないよう擦り合わせ調整しながら受けを作ります。
4)加工
指孔あけと歌口の加工を行います。
いずれも演奏の要となる重要な工程なため、慎重な作業が必要です。
歌口の息が当たる部分は極めて薄い造りとなり、音幅や音色に関する調整箇所となります。
5)調律
試し吹きをしながら尺八内側の地付けと削りを繰り返して音の調律を行います。
わずか数ミリの削りで尺八の鳴りは変わります。
耳と手先の間隔で調律を完了させて最後に内部を漆で塗り仕上げます。
6)全体の仕上げ
中継ぎに上管と下管をそれぞれはめ込み、固定させます。
外観の仕上げとして全体的に磨きをかけ、漆で乾拭きを行います。
ツヤと深みのある尺八は、楽器としてもさることながら日本の伝統工芸品として扱われるほど美しく趣のある外観が特徴です。